【ポケモンSM】Twitterで話題になった幻の期末試験を解いてみた③~5Vが産まれる確率~

続きをやっていきましょう!

 


大問3 H, A, B, C, D, SをそれぞれHP, 攻撃, 防御, 特攻, 特防, 素早さの個体値が31であることを表すものとする。

オス:HAB (あかいいと)

メス:HBCDS (かわらずのいし)

の親から卵を作るとき、次の問いに答えよ。ただし、関数電卓を使用してもよい。

 

(1) 産まれてくるポケモンHABDSが遺伝する確率は何%か。答えは小数第2位を四捨五入し、小数第1位で答えよ。

(2) 産まれてくるポケモンHABDSである確率は何%か。答えは小数第2位を四捨五入し、小数第1位で答えよ。

 

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この問題はポケモンをそこそこやりこんでいないと問題文の意味すらわからないと思います。問題を解く前に、まずは設定の解説をいたします。

個体値…性格が同じポケモンでも産まれてくる個体によって能力値が違います。これは個体値という0から31までの数値によるもので、親から遺伝しなかった個体値はランダムに決まります(個体値が最大の31になると能力値が最大になります)。通信対戦ではできるだけ能力値の高いポケモンを使いたいので、孵化やリセットを繰り返して個体値の高いポケモンを手に入れています。

あかいいと…このアイテムを親に持たせると両親の持つ6種類×2匹=12個の個体値のうち、ランダムに5種類が子に遺伝します。←ここ重要です!

かわらずのいし…このアイテムを持たせている親の性格や特性が遺伝しやすくなる。←この問題では全く関係ありません(笑)

 

つまり、、

ある能力の個体値が最大の31になる確率は通常1/32なのですが、あかいいとを持つ親から子へ個体値を遺伝させることによって比較的簡単に5種類の個体値を最大にすることができるというわけです。

 

(1)と(2)の違いを見てみると、(1)は遺伝によってHABDSになる確率、(2)は遺伝と自然発生した個体値31を含むHABDSが産まれる確率を求めればよいことがわかります。

 

それでは(1)から計算してみましょう。

まず、6種類の能力のうち、特攻以外の5種類が遺伝する確率は1/6

さらに、片親しか個体値31をもっていない攻撃(A)、防御(B)、素早さ(S)が遺伝する確率は

1/2×1/2×1/2=1/8

したがって、求める確率は

1/6×1/8=1/48=0.0208…

答えは2.1%となります。

 

 

この確率はめちゃくちゃ低いですね…実際に孵化で厳選を行うときは、HABDやHABSのオスが産まれたらそいつを親にして交配を行います。近親そ…なんて知りません(´・ω・`)

 

(2) 次は自然発生するパターンも考えてみましょう。

HとBは両親ともにもっていて、AとDとSは片親のみがもっています。これを利用して場合分けすると

ⅰ) HまたはBが親から遺伝せず、偶然それが個体値31になったとき

HまたはBがあかいいとの5種類に含まれなかった…2×1/6

片親のみがもつAとDとSが子に遺伝した…1/2^3=1/8

遺伝しなかったHまたはBが自然発生した…1/32

よって

2×1/6×1/8×1/32=1/768

 

ⅱ) AまたはDまたはSが親から遺伝せず、偶然それが個体値31になったとき

AまたはDまたはSがあかいいとの5種類に含まれなかった…3×1/6

ADSのうち2つが子に遺伝した…1/2^2=1/4

遺伝しなかったAまたはDまたはSが自然発生した…1/32

よって

3×1/6×1/4×1/32=1/256

(1)およびⅰ)およびⅱ)は同時には起こらないから、求める確率は

1/48+1/768+1/256 = (16+1+3)/768 = 20/768 = 5/192

=0.0260…

答えは2.6%となります。

 

 

かなり長くなってしまいました…

 

(2)は数学らしい問題でしたね。場合分けが必要であり条件がやや複雑なので、試験に出したら正答率はかなり低くなるのではないかと思います。

頑張れば高校生でも理解できる内容なので、これから数学を得意にしたい人はぜひ自力で解けるようにしましょう!(続く)